イントロ-尊華帝国軍

ここは戉寒。尊華帝国の最北部に位置する領土で、
斉山と呼ばれるこの国の大本山がある所だ。

斉山の中にある軍事組織では、国家魔術師を育成すべく日夜訓練が行われている。

肌を刺すような木枯らしの吹きすさぶ板張りの渡り廊下は訓練場へと続いている。
軍人として登竜門を叩き、もうすぐで晴れて第一線へと駆り出される事となっているはずのあなただが
その日どうしてか、その渡り廊下の半ばで足を止めてしまった。

  • ???
    ……よう、訓練に行かないのか?
    何シケた面してんだ。もう嫌になったか?

後ろから話しかけてきたその男の顔に、見覚えはなかっただろう。
男は少し考えた後、着いてこいと言わんばかりに渡り廊下を引き返しはじめた。

  • ???
    もし俺の口の利き方が気に食わねえなら、悪いな。
    貴人だろうが賤人だろうが、男だろうが女だろうが、俺は誰にでもこうなんだ。
  • ???
    ……なあ、あんた帰りたいか?